ども。コピーライターノベリストの眞山です。
今日は最近思ったことを書いてみます。
テレビをつけると嫌でも流れてくるCM。各スポンサーの社運をかけ、短い時間で商品をPRするために、様々な知恵と工夫を凝らして作られています。
当然、広告のプロたちが手掛けるもの。視聴者に良い印象を残すものばかり。
でもそのCMは、印象に残って欲しい人にちゃんと届いてる?と思ったCMがあります。
ターゲット外してるよね?
いくら印象に残すとはいえ、そのCMを見て欲しい人の心に届かなかったら、果たして高いお金をかけて作る意味はあるんでしょうか?
そう感じたのがこのCM。
レジーナクリニックという脱毛店のCMです。
「レジクリ♪」と言いながら5人のアイドルが踊っている内容でした。あなたも見たことがあるんじゃないでしょうか?
久しぶりに興味を持ったんで、この店について少しだけ調べてみたら…
女性専門の脱毛店でした。
ターゲットが女性なのに、アイドルユニットのダンスがCM…?
アイドルユニットで食いつくのは当然ながら男性がおもです。案の定このCMについて調べたら、ダンスのセンターを踊っている子がかわいい!という内容のブログ記事ばかりがヒットします。書き方からして、男性が書いていると思われます。
女性専門の脱毛店なのに、男性が食いついているんです。
でも、女性目線からしたら、「こんなアイドルみたいになりたい!」という夢を持つのかな?と思ったら、一緒に見ていた妻が、「このCM訳が分からないよね。アイドルと脱毛は結びつかない」と言っていました。
うんそうだよね。。。
脱毛専門店なら、ベネフィットを見せるべきだと思います。つまり、脱毛してキレイになった自分が得られる明るい未来。
好きな人にモテている、周りからきれいと騒がれる、こんな作り方がオーソドックス。
まぁ、制作者さんはこんな原則は百も承知で、あえて真逆の流れで作っているのかもしれません。
これは本能に訴えかけられていると思ったCM
次に紹介するのは、憎いけど、好きではないけど、「ターゲットの本能を鷲掴みにしてるな」と感じた、ご存じハズキルーペのCM。製作費50億円を投入して作られたと聞いて、ビックリです(笑)
やはり賛否両論だそうですね。以下、僕の私見です。
- 単なるルーペの宣伝でありえないほどでかい会場を借りて満員のイベント。(→この後どうやって時間使ったんだろう)
- 菊川怜のくさい芝居(←「だーいすきっ」って、アンタ日常使ってないでしょう)
- 丈夫さを示すために、女性がルーペの上に座る(←普通に手で押すだけでも良かったよね?)
他にも色々な理由で、見ていると不快感を覚える人も多かったようです。
しかし、そんなことも想定してこのCMは作られていると思います。
ターゲットとなる中高年の年齢層には、グサッと心に、というか本能に響いてしまったことでしょう。
- 「菊川怜が好きって言ってた」
- 「渡辺謙が宣伝してた」
- 「女性のお尻に踏まれてた」
- 「あんなでかい会場で、盛り上がっていた」
自己承認欲求を満たす、夢を与える、さまざまなブランディング効果が施されています。
ルーペを買いに行ったお客さんは、機能を見比べる前にすでにあのCMに洗脳されています。選択肢は限りなく絞られるはずです。
事実、販売本数は350万本を突破したそうです。
1本10000円として、原価は3000円としましょう。すると、1本につき7000円の利益が上がるとします。それが350万本だと、単純計算で250億近い利益が出ていることになります。50億製作費をかけても、余裕で元が取れていますね。
夢を見る中高年層が、内心ワクワクしながら無表情を取り繕って購入する姿が目に浮かぶようです。
これこそ、ターゲットの心に響くCMと感じます。本能むき出しで殴り掛かりに行ったというような印象を受けるCMです。
まとめ
ターゲットの心に殴り掛かっていく、こんなことがキーワードとして思い浮かびました。
僕が好きなスタイルは「気付いたら気になって仕方がない」という、フワッと心の中に忍び込むスタイルですが、こんな手法も覚えておけば使う機会もあるんでしょうね。
コメントを残す