眞山が執筆した小説を紹介します。
エブリスタ・ジャンル応援キャンペーン「お仕事小説」入賞作品
「社畜もなかなか悪くない」
作品概要
「500万の商品をキャンセルしたい」
1本の電話から窮地に立たされた、サラリーマンの向田裕一。
仕事を辞めることばかり考える部下と、叱責ばかりのうざい上司とともに、取引先と立ち向かう。
仕事で悩める全ての人へ贈りたい、社畜の奮闘記。
執筆の経緯
この小説は、僕の実体験を元に考案しました。
主人公の向田は工業用のステンレスパイプの卸・販売業の営業マンですが、まさに数年前の僕です(笑)
会社という組織の中で、自分は歯車の一つとなり、会社の言いなりとなって働く。そんな「社畜」としての立場を嘲笑すると同時に、「社畜」の生き方にもやりがいは存在する、ということを伝えるために書きました。
会社に勤めるサラリーマンの多くが「会社はいやだ」と思っている原因はなんでしょうか?
好きでもない仕事、尊敬するに値しない上司、やる気のない部下、わがままばかりの顧客。そんな、マイナスの人間関係に囲まれているからだと思います。
僕もそうでした。なぜ自分はこの会社で働いているんだろう?
仕事のやりがいも生きがいも見いだせないでいました。
しかし、ふとした気付きがキッカケで、主人公の向田と同じく「社畜もなかなか悪くない」という価値観を持つまでに至りました。
会社という組織に属するということは、多くの社会経験やビジネス的視野を得ることができます。それは高校や大学では教えてくれないけれども、生きていく上で必要な知識や経験です。
具体的には、組織という人間の集合体でうまく渡り歩くための感情コントロール、処世術、コミュニケーション能力といったスキルになります。
しかしそれだけではありません。自分の視野を変えることで、どんな仕事でもやりがいを持つことができます。それをお伝えすることが、本作の制作目的です。
自分の仕事が好きになれない。人間関係に疲れた。そんな方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。
しかしながら・・・
「社畜も悪くない」というタイトルですが、悪くないというだけでベストな選択とは考えていません。
会社という組織の歯車の一つに甘んじているうちは、収入も格段に変化することはなく、自分の長所を生かせる職種や部署にありつけるとも限りません。人間関係も良好とは限りません。
小説では触れていませんが、僕が本当の意味でお勧めする生き方とは、自分の長所を生かした仕事でビジネスを展開し、生計を立てることです。
必要な知識・経験を積み、社会人としてのビジネスマナーや処世術を身に着けたら、ずっとその会社に甘んじているのはいかがなものでしょうか?
もちろん、その会社での待遇や仕事内容、職場環境に不満がないなら、目前の問題ありません。しかし昨今、公務員でない限り、どんな大企業でも「安定」はありません。
2018年11月20日、HONDAのゴーン会長が解任され、株価が大幅に下落したニュースは記憶に新しいと思います。
自分で稼ぐ力を身に付ける。これが、最強の世渡り術・処世術になると思います。